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2024/05/13 13:40
本当ならばここまで細かくお伝えしなくてもいいのかもしれないのですが、
僕はYoutubeで料理を教えているものとして、必要なことだと思っています。
【課題】
・材料選び
・余計な乳み
・卵のにおい
・粉っぽさ
・チーズの存在感
・チーズの組み合わせ
・糖分
・舌触り
・焼きすぎるとケーキ周りのが硬くなって食感が悪くなり、焼き足りないと香ばしさが足りなくなる
・同じ温度でもオーブン内の場所によって多少焼き加減が違ってくる
・混ぜ方
・食べ終わった後の余韻
・冷蔵庫から出した直後と15分後どちらも美味しくするには
・見た目
・消費期限内全ての期間美味しくするには
・配送時の振動に耐えられるか
乗り越えないいけない課題は沢山ありましたが、すべては解決できたと思っています。
バスクチーズケーキは高温短時間で焼き上げることで、表面が香ばしく中身はトロッと仕上げるのが特徴です。
ただ材料の組み合わせで同じ時間でも仕上がりが全然違ってきます。
僕が理想とするバスクチーズケーキはチーズの存在感があり、表面(上部と側面)がこんがりと香ばしくきつね色に焼けていて、
中心はトロっととろけて外側にいくほど香ばしくなめらか濃厚食感で、2段階で楽しめるコクと深みがあるバスクチーズケーキを目指しました。
何も考えず高温短時間で焼くと、側面の食感がボソボソしたり中心部はトロっとしてるけど粉っぽかったり
乳みが強すぎたりと違和感のあるバスクチーズケーキになります。
特にチーズの種類とチーズの組み合わせ。黄金比を見つけるのには苦労しました。
北海道産クリームチーズとデンマーク産クリームチーズの2種類のクリームチーズを僕が考える最高の比率で配合しています。
隠し味で、選び抜かれた国産の百花はちみつと特選バターを使用していますので格別に風味が良くなりコクが増しているので
お楽しみください。
生クリームは珍しい九州産で基本的に生クリームを注文する度に、
一本一本うちのお店のために作って頂いていて、工場の半径50キロ圏内の生乳のみを使用し、なおかつ工場について24時間以内の新鮮な生乳だけを使用して作られているので鮮度が段違いで凄いんです。ちなみにここまで酪農家さんと近距離に作られている乳製品工場は全国的にも極めて異例になります
脂肪分48%の生クリームで、生でも直接飲めるぐらい、濃厚でコクがあって風味がいいのですがキレが良くさわやかでスッキリした味わいになっています
試作中に大手の乳製品メーカーの営業の方から弊社の生クリームを使って頂きたいと営業を受けたので、この生クリームよりも美味しかったら使用させて頂きますと言って、この九州産の生クリームをワイングラスで営業の方にお出ししたら、その営業マンさんがうちには何十種類も生クリーム置いてますが、この生クリームには勝てませんと言って頂けました。
大手の同業者の方もうなるほどの味となっております。ちなみにその正直に答えてくれた営業マンさんの人柄が好きで、今回生クリームはうちの商品には合いませんでしたが、生クリーム以外でお取引させて頂いています。
焼き方にもこだわりがあって、僕たちが使っているオーブンの機能的には今の倍量焼けるのですが、あえて2分の1の量で焼くことで均一に焼けて一個あたりのクオリティーが格段に上がります。生産量が2分の1になるのであまり儲けることはできませんが、美味しいに誰よりもどこよりも正直でありたいと思っているのでこの方法を採用しています
その他にも、独自の手法で4段階に分けてオーブンで焼いているので、表面が均一にこんがりと焼けて、中心はトロッとコクがあり、外側は美味しそうな焼き色がつきながらも、口に入れると滑らか濃厚でほのかにキャラメルの風味が鼻から抜け、余韻が残る美味しさに仕上がっております。
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僕はお仕事をさせて頂く上で特に“熱意”をとても大切にしています。
汗水垂らして一生懸命に働いて稼いだお金を使って下さるのは当たり前じゃないと思っているからです。
だったら自分とこの商品を買ってくれた時に心から買ってよかったとお客様に思って頂きたい。感動して頂きたいと心から願っています。
なので僕が業者様に求めるものもおのずと物凄くハードルが高くなります。
火傷するぐらい熱い人、企業様とお仕事がしたい。大小、規模はどうでもいい。自分の仕事に誇りを持って働かれている圧倒的に熱量が高い生産者様から材料を仕入れさせて頂きたい。そう思っています。
神は細部に宿ると言います。見えないところ小さなところまで最高にこだわっていきたい。
なぜならお客様の最高に美味しいと喜んでる顔が見たいから。
そんな想いを持って一軒一軒アポイントを取って全国各地にご訪問させて頂き、最高の食材だけを仕入れさせて頂いております。
人も少なくこだわり抜かれているが故にあまり生産ができない所ともお取引があったりするので大量生産は出来ませんが、
一つ一つ真心を込めてお客様のもとにお届けできれば幸いです。
岩野上 幸生